LABORATORY熱の実験室


 ● 走行状態での測定 - 測定結果

 AC電源を使用しない状態での走行結果は、次の通りです。区間1は急な上りなので、アクセルの踏み込みが大きくなり、燃費が悪いのは当然です。区間2は急な下りになりますが、ゆるい下りの区間5より燃費が悪くなっています。曲がりくねっていて、カーブで速度を落とす必要があるので、強いブレーキングでは回生の割合が小さく、カーブの後はアクセルを踏んで加速する必要があるためと見られます。
 AC電源の電気料金は、この燃費との比較で計算してあります。
  区間距離 標高差
(ゴール-スタート)
平均斜度 区間燃費 ガソリン
区間消費量
a
区間時間
区間1 8.0km +480m +6.0% 5.60km/L 1.429L 10.8分
区間2 7.9km -480m -6.0% 28.10km/L 0.281L 11.0分
区間3 12.0km +270m +2.3% 10.55km/L 1.137L 11.5分
区間4 18.1km 0m 0% 17.22km/L 1.051L 20.0分
区間5 12.0km -270m -2.3% 43.74km/L 0.274L 12.0分
全コース 58.0km 0m 0% 13.9km/L 4.173L 65.3分
● 750W使用時
  区間距離 区間燃費 ガソリン
区間消費量
b
ガソリン
消費増分
b-a
区間時間
c
電力量
(c/60)×0.75
電気料金単価
[円/kW・h]
区間1 8.0km 5.40km/L 1.481L 0.0529L 10.3分 0.1288kW・h 41.10
区間2 7.9km 24.28km/L 0.325L 0.0442L 11.5分 0.1438kW・h 30.77
区間3 12.0km 9.79km/L 1.226L 0.0885L 11.9分 0.1488kW・h 59.52
区間4 18.1km 15.24km/L 1.188L 0.1362L 19.1分 0.2388kW・h 57.05
区間5 12.0km 38.58km/L 0.311L 0.0367L 12.2分 0.1525kW・h 24.07
全コース 58.0km 12.8km/L 4.531L 0.3586L 65.0分 0.8125kW・h 44.13
● 1500W使用時
  区間距離 区間燃費 区間消費量
d
ガソリン
消費増分
d-a
区間時間
e
電力量
(e/60)×1.5
電気料金単価
[円/kW・h]
区間1 8.0km 5.30km/L 1.509L 0.0809L 11.0分 0.2750kW・h 29.40
区間2 7.9km 19.45km/L 0.406L 0.1251L 11.5分 0.2875kW・h 43.52
区間3 12.0km 8.78km/L 1.367L 0.2294L 11.7分 0.2925kW・h 78.44
区間4 18.1km 13.74km/L 1.318L 0.2663L 21.6分 0.5400kW・h 49.31
区間5 12.0km 24.60km/L 0.488L 0.2134L 11.4分 0.2850kW・h 74.86
全コース 58.0km 11.4km/L 5.088L 0.9151L 67.2分 1.6800kW・h 54.47
 この結果をまとめたのが次の表です。
  区間距離 標高差
(ゴール-スタート)
平均斜度 750W使用時の
電気料金単価
[円/kW・h]
1500W使用時の
電気料金単価
[円/kW・h]
区間1 8.0km +480m +6.0% 41.10 29.40
区間2 7.9km -480m -6.0% 30.77 43.52
区間3 12.0km +270m +2.3% 59.52 78.44
区間4 18.1km 0m 0% 57.05 49.31
区間5 12.0km -270m -2.3% 24.07 74.86
全コース 58.0km 0m 0% 44.13 54.47
 電気料金単価が一番低いのは、区間5の750Wで24.07円/kW・hですが、この区間の1500Wは高い方から2番目の74.86円/kW・hになっています。2番目に低いのは区間1の1500Wで、この区間は750Wの方も全コースより低くなっています。単価が一番高いのが区間3の1500Wで、この区間は750Wでも最高になっています。
 この結果は、単純に下り坂なら回生ブレーキで電気が余るから電気料金が低くなり、逆に上り坂は高くなる、というような単純なものではありませんでした。エスハイのハイブリッドシステムが有効に働いていて、AC電源を使用しない状態でエンジンが必要最小限しか回っていないような区間では、余裕がないのでAC電源を使うとその分ガソリンを使って、電気料金が高くなるものと思われます。逆に、ハイブリッドシステムが燃費をそれほど向上させることができない区間では、エンジンは必要以上に回っている分があって余裕があるので、AC電源の電気料金は低くなると思われます。
 区間5について見ると、ゆるい下り坂で回生ブレーキが数百ワット発電する余裕はあるために、750Wの電気料金が低くて、1500Wまで発電するには余分にエンジンを回す必要があって、電気料金が高くなっていると推測できます。もっと急な下り坂の直線路なら、1500Wでも回生ブレーキの発電でまかなえて電気料金が低くなるはずです。