熱の実験室 別館
エスハイ実験室 第3回

 エスティマハイブリッド(エスハイ)を使った実験室 

 ● 本題の前に

 エスハイは、実験をやったり近所走りで、平均燃費が12km/Lを下回って11.5km/L程度になっていたので、これを上げようかと、少し流してきました。
 燃費が良さそうな道を流すつもりが、途中で長い直線の急な上りになってしまいました。苦しいというわけではありませんが、スピードの割にはかなりエンジンが回っているようです。回転計がないので実際の回転数はわかりませんが、上りの始めの方の加速でモーターが使った電気を補充するために、充電もするためのようです。
 次に、普段なら何とかしてくれよ!というような、スロー加速の車の後ろにひっかかりました。加速も、アクセルを踏むか踏まないか、という程度の緩やかさで走ると、40kmを超える程度になっても、モーターだけで走るような状態になります。そのままエンジン停止の状態で減速していくと、止まる寸前に、逆に電池からモーターに電気がいくようになって、完全停止後も少し続きます。止まろうとしてブレーキを踏んでいるのに、逆にモーターで前に進もうとしているわけです。変な現象だと思いましたが、実は普通のAT車のようなクリープを作り出しているのでした。

 ● 今回のテーマ(エスハイ用負荷抵抗器の製作)

 エスハイのAC電源1500Wをフルに使って、走行状態での長時間の実験を行なおうとすると、車内でヒーターに通電したのでは暑いので、車外に取り付けるヒーターが欲しくなります。このヒーターは、エスハイ電源評価実験のために、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する「負荷抵抗器」といえます。今回は、前回製作した簡易キャリアに取り付ける「負荷抵抗器」の製作記で、 「エスハイはハイブリッド羊の夢を見るか?」ではなくて、「エスハイに負荷抵抗器は必要か?」です。

■ ヒーター種類の選定

 エスハイ用負荷抵抗器に必要なのは、次の項目です。
  • 軽量なこと
  • 雨が降っても安全なこと
  • 何らかの物体が飛んできても燃えたりしないように、温度が高くないこと
  • 走行時の風速で問題ない強度があること
 なお、実験をするときだけ取り付けるので、エスハイの屋根の上で長期間耐えるような耐候性は不要です。
 上の必要な条件から、ヒーター本体には「シリコーンラバーヒーター」を使用することにしました。温度を下げるためには、ヒーター発熱部の表面積を大きくする必要がありますが、金属シースのヒーターでは重くなってしまいます。
 標準的なワット密度(単位面積当たりの発熱量)0.6W/cm2 のシリコーンラバーヒーターは、今回の空中での使用方法では、両面から空気中に放熱するので0.3W/cm2 のヒーターということになって、無風状態で約200℃になるはずです。
 1500Wのシリコーンラバーヒーターでは、1500/0.6 = 2500[cm2](両面では5000cm2)のヒーターになりますが、その重量は約700gです。これと同じ表面積5000cm2になる、通常品の中では細いφ6.5のステンレスシースのヒーターで比較すると、次の表のようになります。
  長さ1m当たりの
表面積
5000cm2
での長さ
長さ1m当たりの
重量
計算重量
φ6.5ステンレスヒーター 204cm2 24.5m 約0.16kg 約3.9kg
 24.5mもの長いヒーターはできないし、多数本のヒーターそれぞれに発熱しない部分の長さが必要になりますから、更に重くなります。シリコーンラバーヒーターの6倍ほどの重さになるはずです。

 雨が降ったときを考えても、全体がシリコーンゴムで覆われているので、金属シースのヒーターより対応する処理は簡単です。