LABORATORY熱の実験室

 

熱の実験室 別館
エスハイ実験室 第2回

 エスティマハイブリッド(エスハイ)を使った実験室 

 ● 実験をはじめる前に

 前回、少し運転してみた感じを書きましたが、まだ200kmもいかない新車のことでしたので、その後走った感想です。と言っても、たいした距離は走っていませんが、
 重く感じた加速は、少し軽く感じるようになりました。車の駆動部分の動きが軽くなったのと、こちらが慣れたのと、どちらの影響が大きいかは?ですが。10%の上りが続く山道でも、モーターの補助が効くので、失速するような感じはありません。低回転でトルクがあるモーターにより、普通のガソリン車では速度がある程度落ちてしまうと、そこから加速するときに、よいしょ、となるのですが、ジワッとパワーが出る感じです。y = Ax+Bの、Bが大きいようなイメージでしょうか。xは速度のつもりですが。
 燃費については、12km/L程度を維持しています。この重量の車としてはかなり良いといえますが、その特性は、普通のガソリン車と違うようです。流れが良くて、ゆるいアップ・ダウンがあるようなコース、普通のガソリン車だと、平均より3~4割も燃費が向上するようなコースで、割と燃費が伸びません。普段気にならない程度の、ごくゆるい上り坂でも、それなりにアクセルの踏み込みを大きくする必要があって、「燃費」モニターの「瞬間燃費」が落ち込みます。平地では、ムダがない必要最小限のエンジン回転数で走っているので、その状態ではちょっとした上りでもパワー不足になり、アクセルを踏み込まないと速度が低下するようです。これは、ハイブリッドだからではなく、CVT(無段変速機)の設定といえますが。下り区間になると当然燃費は向上しますが、上り区間での燃費低下が大きいので、トータルで1割も向上しませんでした。同じコースでも、重量車がブロックしていたりして速度が低下していたら、燃費はかえって良くなるかもしれません。
 その代わり、速度が遅くて信号がある、穏やかな加減速が多いコースでは燃費が良くなります。燃費については、ミラーサイクルエンジンで基本的に効率を上げている部分を別にすると、ムダになっている部分、平地でのエンジンの余裕、下りやブレーキの減速、を改善することにより向上させているので、パワーを使う必要がある上りなどでは、重量がある分、それなりに低下することになります。

 ● 今回の実験(AC電源の特性を測定する)

 エスハイのAC電源は、トータルで1500W使用できることになっていますが、この電圧特性、1500Wをオーバーして使おうとした場合の動作などはどうでしょうか? それを実験で確認しました。

■ 実験に使用した器具

・水用投込みヒーター
 定格:100V 1kWを2台、定格:100V 500Wを1台使用しました。

・12リットル樹脂バケツ
 ここに入れた水を、水用投込みヒーターで加熱します。なお1500Wの容量で、20℃の水12リットルを加熱すると、気候にもよりますが、12分くらいで40℃になります。

・電圧調節器(スライダック)
 試験中、ヒーターは1台または2台使用しますが、内1台に加える電圧を調整することにより、トータルの電流値を調節するために使用しました。

・電圧計・電流計
 デジタル表示のものです。