LABORATORY熱の実験室

HAKKO熱の実験コンテスト
■ 「第8回 八光熱の実験コンテスト」 審査結果
 実験実施10チームのレポートを審査し、入賞3チームを決定しました。

所属 (応募時点) 実験メンバー 実験タイトル
実験レポート
1位
(賞金 50万円)
山梨大学大学院
 医学工学総合教育部
 機械システム工学専攻
 武田研究室
羽鳥 寛史、松野 準也、渡邊 晃子、
大久保 樹、栗山 慎司、 田中 大輔、
中込 祐作
太陽熱利用マグネシウム燃料電池システムによる駆動実験
 10_実験レポート
2位
(賞金 20万円)
茨城大学 工学部 機械工学科
茨城大学大学院
 理工学研究科 機械工学専攻
 松村研究室
鈴木 敏修、冨田 翔、霜田 香純、
大原 俊弘
積乱雲の出来る仕組みを調べて作ってみよう!!
 02_実験レポート
3位
(賞金 10万円)
東京電機大学 未来科学部
 ロボット・メカトロニクス学科
大塚 龍太郎、鈴木 元哉、
若林 隼
人力で機能する200℃ホットプレートの製作 -災害時も美味しく焼肉を-
 07_実験レポート
敬称略
■ 講評
 前回に続き、全チームの実験が提出されて、審査対象とすることができたことに、感謝しています。
 
審査した実験全体について
 今回の10実験は、「熱」という共通点はあるものの、内容が多方面にわたっており、これを同時に並べて点数を付けることは、難しいと感じました。特に、生化学分野の実験は、名古屋大学のチームの実験のように、回数を多く長時間行う必要があることが、実験途中の報告からもわかりました。熱を主に扱う、物理・機械分野のような、何らかの法則があって、それがわかると解決というものとは、かなり違うということを知りました。
 入賞した3チームは、共に入賞常連の3校からで、各校の入賞回数についても、5回で並ぶこととなりました。今回の審査で、1位と2位は特に高い得点を得ましたが、3位以下はわずかな差でした。また、上位のチームが、全ての評価項目で上位を占めているのではなく、ほとんどのチームが、いずれかの評価項目で3位以内に入っています。入賞しなかった実験も、それぞれ秀でたものがあることを示していると思います。各レポートには、我々が知らなかった知識を含んでいるはずです。ぜひ、興味があるものから、お読みいただきたいと思います。
 
入賞実験について
1位: 太陽熱利用マグネシウム燃料電池システムによる駆動実験
 「娯楽性」と「関連性」が1位、「表現力」と「効果」が2位でした。
 第6回から続く、太陽光のエネルギーを利用して船を動かす3回目です。今回は、太陽光のエネルギーが直接運動エネルギーになっているわけではありませんが、パワーがあるので陸上でも動いています。炭の種類や温度など、条件を変えた発電特性の測定がていねいに行われています。継続テーマとも言えますが、このテーマを続けて目新しさを加えられるか? 別のかたちで運動エネルギーを表現した方が良いのか? は検討した方が良いかもしれません。

2位: 積乱雲の出来る仕組みを調べて作ってみよう!!
 「表現力」と「効果」が1位、「独自性」が2位でした。
 自然現象を可視化する実験です。スムーズに進んだわけではなくて、はじめの円柱ヒーターで思ったような測定ができなかったり、ノイズがあったり、霧の対流が乱されたり、という過程があって、最後の実験装置が作成されました。途中の報告からも、いろいろと試行錯誤してやってきたことがわかりました。うまくいった部分だけのレポートだったら、面白くないものになったかもしれませんが、そうでない部分を含めることで、興味深いものになったと思います。

3位: 人力で機能する200℃ホットプレートの製作 -災害時も美味しく焼肉を-
 「娯楽性」が2位でした。
 災害で大変な時に、わざわざ焼肉をし、しかも都合良く、お湯はある前提という、それは普通やらないでしょう、ということをやった実験です。普通はやらないことなので、その内容は、普通は知り得なかった情報になると思います。自転車で発電できる電力や、その十分ではない電力でも焼くことができるということを、知ることができました。この発電手段は、別の用途にも役立つことがあるかもしれません。
■ 審査委員
審査委員長 株式会社八光電機 代表取締役会長 坂原 良一
審査委員
(計 23名)
株式会社八光電機
 代表取締役社長 児玉 祥路
 営業本部:
常務執行役員 本部長、上席執行役員 副本部長、本部長付 課長、大宮支店長、大阪支店 主任、東京支店 営業部員
 生産本部:
第一開発部 次長、第一開発部 部員(2名)、第二開発部 係長、第二開発部 部員(2名)、執行役員 第三開発部長、 第三開発部 係長(2名)、第四開発部 主任、第四開発部 部員、TPM部 主任、TPM部 係長、品質保証部 部員、管理部 部員
株式会社八光興発
業務部 副参与
■ 審査基準
評価項目 評価要素 配点
表現力 科学現象や自然現象を、幅広い対象に対して、興味深く表現できているか 20
娯楽性 楽しめる実験か 10
関連性 当社の事業との関連: 電熱製品の、今までにない使い方を提案しているか 10
独自性 実験のテーマ・内容に独自性があるか 10
効果 新しい知識が示されているか 20